ワインの世界はとても奥深く、その味わいや香りの違いは主にぶどう品種によって生まれます。
「赤ワインは苦い?」「白ワインは全部さっぱり?」――そう感じている初心者の方にこそ、品種ごとの特徴を知ることが大切です。
本記事では、ワインを学び始めた方がまず覚えておきたい代表的な12種類のぶどう(赤ワイン6種・白ワイン6種)をわかりやすく解説します。
「カベルネ・ソーヴィニヨン」「シャルドネ」といった世界的に有名なものから、「甲州」のような日本固有の品種まで、幅広く紹介。
品種を知れば、レストランやワインショップでの選び方がぐっと楽になり、好みのワインを見つけやすくなります。
これからワインの知識を深めたい方は、ぜひ参考にしてください。

赤ワインの代表的ぶどう品種6選
赤ワインの味わいや香りは、ぶどうの品種によって大きく異なります。ここでは、世界中で広く栽培され、初心者でも覚えておきたい6つの代表的品種を紹介します。
カベルネ・ソーヴィニヨン
「赤ワインの王様」と呼ばれる代表品種。しっかりとした渋み(タンニン)と深い色合いが特徴で、カシスやブラックチェリーのような果実味が感じられます。熟成すると、スパイスやシガー、レザーのような複雑な香りを楽しめるのも魅力です。
メルロー
カベルネよりも柔らかく、まろやかな味わいが特徴。果実味豊かで飲みやすいため、初心者にもおすすめです。プラムやベリーの香りに加え、熟成するとチョコレートのようなニュアンスも現れます。
ピノ・ノワール
繊細でエレガントな味わいが特徴。軽やかな赤ワインを好む方に人気です。ラズベリーやチェリーといった赤い果実の香りが強く、土や森を思わせるニュアンスも感じられます。フランス・ブルゴーニュ地方が代表的な産地です。
シラー(シラーズ)
濃厚でスパイシーな赤ワインを生み出す品種。産地によってスタイルが変わり、フランスのローヌでは力強くスパイス感が際立ち、オーストラリアでは「シラーズ」と呼ばれ、熟した果実味とボリューム感のある味わいになります。
サンジョヴェーゼ
イタリアを代表する赤ワイン品種で、「キャンティ」などに使われています。酸味が豊かで、チェリーやスミレを思わせる香りが特徴。パスタやピザなどトマトベースの料理と相性抜群です。
テンプラニーリョ
スペインを代表するぶどうで、リオハ地方の赤ワインに多く使用されます。果実味と酸味のバランスが良く、熟成によってバニラやスパイスの香りが加わります。比較的飲みやすく、幅広い料理に合わせやすい品種です。
白ワインの代表的ぶどう品種6選
白ワインも品種ごとに個性がはっきりと現れます。爽やかな柑橘系から芳醇でコクのあるタイプまで、代表的な6種類を紹介します。
シャルドネ
「白ワインの女王」と呼ばれる代表品種。産地や醸造方法によって味わいが大きく変化するのが特徴です。フランス・ブルゴーニュの上品なタイプから、カリフォルニアの樽熟成でバターやナッツ香を感じるリッチなタイプまで幅広く楽しめます。
ソーヴィニヨン・ブラン
爽やかな酸味とハーブや柑橘の香りが特徴。ニュージーランドやフランスのロワール地方が代表的な産地です。グレープフルーツやパッションフルーツを思わせる香りで、魚介類やサラダとの相性が抜群です。
リースリング
フルーティで華やかな香りを持つ品種。産地によって辛口から甘口まで幅広いスタイルが存在します。ドイツやアルザスが代表的な産地で、ライムや青リンゴ、ハチミツを思わせる香りが特徴です。熟成によってペトロール香と呼ばれる独特の香りも現れます。
ピノ・グリージョ(ピノ・グリ)
軽快で爽やかな味わいが特徴。イタリア北部を中心に栽培されており、すっきりとした辛口ワインとして人気です。洋梨や白桃、花のような柔らかな香りがあり、前菜や軽い料理との相性が良いです。
ゲヴュルツトラミネール
非常に華やかで香り高い品種。ライチやバラ、スパイスを思わせる特徴的なアロマがあります。アルザスやドイツで有名で、甘口から辛口まで楽しめます。アジア料理やスパイシーな料理にもよく合います。
シュナン・ブラン
フランス・ロワール地方を代表する品種。酸味がしっかりしており、リンゴやハチミツの香りが特徴。辛口から甘口、スパークリングまで幅広いスタイルで造られる万能品種です。
品種を知るとワイン選びが楽しくなる
品種の特徴をざっくり掴んでおくと、レストランやショップで迷いにくくなり、自分好みの1本に出会いやすくなります。
自分の好みに合う品種を見つけるコツ
- 4つの軸で考える:ボディ(軽い↔重い)/タンニン(弱い↔強い)/酸(低い↔高い)/香り(柑橘・ハーブ・花・赤果実・黒果実・スパイス)。
- まずは代表品種から:軽め=ピノ・ノワール、まろやか=メルロー、力強い=カベルネ・ソーヴィニヨン/爽やか=ソーヴィニヨン・ブラン、コクあり=シャルドネ、香り華やか=リースリング・ゲヴュルツ。
- 少量×比較で学ぶ:グラスで2〜3種を飲み比べ、感じたことをメモ(果実、酸、渋み、余韻)。
好みの傾向 | 候補品種(例) |
---|---|
軽くてフルーティー | 赤:ピノ・ノワール/白:ピノ・グリ、ソーヴィニヨン・ブラン |
まろやかで渋み控えめ | 赤:メルロー/白:シュナン・ブラン |
しっかりコクがある | 赤:カベルネ・ソーヴィニヨン、シラー/白:樽熟シャルドネ |
香り華やか・アロマ系 | 白:リースリング、ゲヴュルツトラミネール |
レストランやワインショップでの活用法
- 3点テンプレで伝える:「予算」「料理」「好みの軸(軽め/渋み弱め/酸しっかり 等)」。
- グラスで試せるなら試す:まず1杯で方向性を確認→気に入ればボトルへ。
- ラベルの読み方:新世界は品種名が明記されやすい/旧世界は産地名主体なので店員さんに品種を確認。
- 同品種の産地違い比較:「品種は同じ、産地で違う」を体感すると理解が早い。
産地で変わる“同じ品種の違い”を楽しむ
- シャルドネ:ブルゴーニュ=ミネラル&上品/カリフォルニア=熟した果実&樽のリッチ感。
- ソーヴィニヨン・ブラン:ロワール=ハーブ&ミネラル/ニュージーランド=トロピカルでアロマ豊か。
- シラー(シラーズ):北ローヌ=スパイス&引き締まったボディ/豪州=果実濃厚でパワフル。
まとめ|ぶどう品種を知ればワイン選びがもっと楽しくなる
今回ご紹介した赤6種・白6種の代表的ぶどう品種は、初心者がまず知っておくとワイン選びの幅が大きく広がる基本中の基本です。
- 赤ワインは「カベルネ・ソーヴィニヨン」「メルロー」「ピノ・ノワール」など、しっかりした味わいからエレガントなタイプまで。
- 白ワインは「シャルドネ」「ソーヴィニヨン・ブラン」「リースリング」など、爽やかさから華やかな香りまで多彩。
同じ品種でも産地や醸造方法によって風味がガラリと変わるのもワインの魅力。少しずつ試しながら「自分の好きな味」を探していくと、ワインライフがぐっと豊かになります。


